結論からいうと、リモートワークチェア選びで失敗しないコツは「骨盤を起こしてS字姿勢を保てるか」「体格に合わせてサイズ調整できるか」「適度に動けて疲労が溜まらないか」の3点を満たすイスを選ぶことなんです。
在宅勤務が定着してからというもの、「なんだか腰が痛い」「肩がガチガチ」という声をよく耳にします。
かくいう私も、最初はダイニングチェアで仕事をしていて、見事に腰をやられた経験があるんですよ。あの痛みは今でも忘れられません。
なお本記事は、コクヨ公式サイトの選び方ガイドや厚生労働省の指針、比較メディアの検証記事など公開情報をもとに独自にまとめたものです。特定企業から依頼を受けた広告ではありません。
リモートワークで腰痛・肩こりが起きる本当の理由とは?

実は、家庭用のダイニングチェアは長時間のパソコン作業を想定して作られていないんです。
だから、リモートワークで数時間座り続けると、体に負担がかかってしまうわけです。
家具メーカーのコクヨが公式サイトのオフィスチェア選び方ガイドで解説している内容によると、体への負担を軽減するポイントは大きく3つあるとされています。
1つ目は、骨盤を起こして背骨をS字形状に近づける「アラインメント」が整った姿勢を保つこと。
背中がアーチ状に丸まった状態が続くと、背骨や筋肉に負担がかかり、肩こりや背中の痛みにつながりやすいといわれています。
2つ目は、体格や姿勢に合った「サイズ」に調整できること。イスが体に合っていないと、パソコン操作中に猫背になりやすいそうです。
3つ目は、適度に体を動かせて「静的疲労」を蓄積しないこと。長時間同じ姿勢を続けると、筋肉や血液への負担が強くなってしまうんですね。
私見ですが、この3つのポイントは言われてみれば当たり前のようで、実際に自分のイスがこれを満たしているかを意識している人は少ないのではないでしょうか。
まずは自分が今使っているイスをチェックしてみることをおすすめします。私自身、ダイニングチェアで作業していた頃はこの3つのどれも満たしていなかったな、と振り返って気づきました。
オフィスチェアとカジュアルチェア、リモートワークにはどちらを選ぶべき?
家具メーカーのコクヨによれば、リモートワーク向けのチェアは大きく2種類に分けられるとされています。
- オフィスチェア:機能のバリエーションが豊富で、自分の体格に合わせた細かい調整が可能。長時間座っても疲れにくいものが多く、フルタイムで在宅勤務をする人向け
- カジュアル/ライトワークチェア:メカがほとんどついていないシンプルな形状。インテリアにも馴染みやすく、軽くて移動させやすいのが魅力。リビングやダイニングで働く人向け
つまり、毎日フルタイムでガッツリ在宅勤務をする人はオフィスチェアタイプ、たまにリビングで作業する程度の人はカジュアルチェアタイプが向いている、というわけです。
私の経験でいうと、ダイニングチェアはまさにこの「カジュアル寄り」の座面の低さと角度で、フルタイムの作業には明らかに不向きでした。
実際に何脚か座り比べてみたのですが、座面の高さがわずか数センチ違うだけで、太ももの圧迫感がまったく変わってくるんです。
毎日6時間以上座るなら、迷わずオフィスチェアタイプを選ぶべきだったと今なら分かります。
疲れにくいリモートワーク用イスに必要な機能とは?
チェアを選ぶ際は、搭載されている機能を知っておくことも大切です。ここを押さえておくと、自分の悩みに合ったイスを選びやすくなります。
ロッキング:背もたれが後方に揺れる機能のことです。長時間同じ姿勢が続くと静的疲労が溜まりますが、ロッキングで上半身を少し動かすだけで血流が促進され、疲れにくくなるといわれています。
ランバーサポート:「ランバー」は腰椎という意味で、腰をサポートする機能を指します。背骨のS字形状を保ちやすくなるため、長時間椅子に座る人には特に効果的とされています。
肘置き(アームレスト):人の両腕の重さは全体重の約16%を占めるといわれ、肘掛けがあると腕を適度に休ませられ、肩への負担軽減や体圧分散につながります。
ヘッドレスト:体を背もたれに預ける「後傾姿勢」で長時間座ることが多い人には、肩や首をしっかり支えてくれるヘッドレスト付きがおすすめです。
厚生労働省が公表している「職場における腰痛予防対策指針」でも、正しい姿勢で座ることが体への負担軽減につながるとされています。
骨盤の上に背骨がまっすぐ乗り、背骨から頭蓋骨までが一直線になる状態を保てるかどうかが、イス選びの大きな判断基準になるんですね。
個人的には、まず「ランバーサポート」と「ロッキング」の2つが付いているかどうかを最優先でチェックするのが、コスパの良い選び方だと考えています。
なぜここまで断言できるかというと、腰を痛めた経験から自分でオフィスチェアに買い替えたとき、真っ先に効果を実感したのがこの2つだったからです。腰の当たる位置に支えができただけで、夕方の腰の重さがまったく違いました。
リモートワークにおすすめのコクヨの椅子は?主要モデルの特徴を紹介

ここでは、家具メーカーのコクヨが展開しているリモートワーク向けチェアのラインナップを、悩み別にご紹介します。
なお、コクヨのオフィスチェアの多くは販売店ごとに価格が設定される「オープン価格」で流通しており、本記事の執筆時点で全モデル共通の定価情報は確認できませんでした。購入を検討する際は、コクヨ公式サイトや取扱店で最新価格を確認することをおすすめします。
- ingLIFE(イングライフ):座面が360°自由に動く「グライディングメカ」搭載。体格の大きな人から子どもまで対応でき、木の温もりを感じるデザインでリビングやダイニングにも馴染む
- ing(イング):360°グライディング・メカで座りながら運動効果も期待できるモデル。コクヨが公表している検証データによると、ingに4時間座って揺れながらデスクワークをした場合の消費カロリーは、約1.5kmのウォーキングと同等という結果が示されています(40代男性5人による測定平均値をもとに、30分間の計測結果を4時間分に換算したもの)
- INSPINE(インスパイン):多様な調節機能と体にしなやかに追従する座り心地を両立したハイスペックモデル。座面には革張りタイプも用意されている
- Bezel(ベゼル):レバー操作で座面のみを前傾させ、大腿部の圧迫を軽減できるハイグレードチェア。ロッキングの強さやランバーサポートの強さも個別に調整可能
- Monet(モネット):2000通り以上のカラー・マテリアルの組み合わせから選べるタスクチェア。体圧分散に優れた座面と、ロッキング強さの自動調節機能を搭載
- FABRE(ファブレ):曲線的でスリムなデザインと、光を通すリング状キャスターが特徴。座る人の体格に合わせてロッキング強度を自動調整する機能付き
- Opti(オプティ):カジュアルな空間に馴染むデザインと、オフィスチェアとしての機能をバランスよく両立
- ENTRY2(エントリー2):背もたれと座面が連動する「シンクロロッキング機構」、個人の背骨ラインに合わせる「ランバーサポート機能」、「奥行き調整機能」を搭載したコストパフォーマンスモデル
- cuna(クーナ):ソリ脚で「前傾・アップライト・後傾」の姿勢をサポート。無意識な体の動きにも自然に追随する
- Any(エニー):ダイニングでも違和感のないシンプルな4本脚チェア。コンパクトながらオフィスチェアと同じモールドウレタンをクッションに採用
こうして並べてみると、同じ「リモートワーク用チェア」といっても、運動不足解消を狙ったing、コスパ重視のENTRY2、インテリア性重視のFABREやAnyなど、コンセプトがかなり違うことが分かるわけです。
ここは「何を一番の悩みとして解決したいか」で選ぶのが賢いやり方だと思います。
実際に売れているオフィスチェアの傾向は?価格帯や機能を他社製品と比較
コクヨのモデルだけでなく、市場全体の相場感も知っておくと、自分の予算感覚がつかみやすくなります。
商品比較・レビューメディアの「My Best(マイベスト)」が公開している検証記事によると、売れ筋のオフィスチェア52商品を集めて比較した結果、価格帯は8,000円台から15万円前後まで幅広く分布していることが分かっています。
なお価格や在庫状況は変動するため、購入を検討する際は各メーカーや販売サイトの最新情報を確認することをおすすめします。
例えば、同記事で人気1位となったGXTRACEの「オフィスチェア」は8,679円という手頃な価格帯でありながら、跳ね上げ式アームレストや通気性の高いメッシュ素材、静音キャスターを備えています。
ただし、姿勢のサポート力についてはやや物足りないという評価も見られました。
一方、同記事で姿勢の保ちやすさNo.1と評価されたK&Iの「EastForce LUMBIRT4.0」は49,999円とやや高価格帯ながら、4段階固定リクライニングや可動式アームレスト・ヘッドレスト、フットレストまで備えた多機能モデルとして紹介されています。
このほか、関家具の「Ergohuman PRO2 ottoman」は約15万円という高価格帯モデルで、シンクロロッキングやアルミダイキャストの脚部を採用しています。
FLEXISPOTの「OC6」は14,980円前後で、高密度スポンジクッションと3年保証を備えたバランス型として紹介されていました。
こうして見ると、コクヨのようなオープン価格のオフィス家具メーカーと、明確な価格表示をする通販系ブランドとでは、そもそも価格の見せ方の戦略が異なることが分かります。
機能面でしっかり差別化されたコクヨのようなブランドと、価格の分かりやすさで勝負する通販系ブランド、それぞれに強みがあると捉えるのが公平な見方だと思います。
世間の反応・口コミから見えるリモートワークチェア選びのリアル
「My Best」に寄せられた口コミを見ると、実際の使用感に関する声がいくつも見つかります。
例えば40代女性の口コミでは、GXTRACEのオフィスチェアについて、以前使っていた高価格帯の椅子より満足度が高いという趣旨の声や、腰や頭の位置がやや低めに設定されていてコスパが良いという評価が寄せられていました。
一方で、男性の体格には座面が低すぎるのではという指摘もあり、体格によって感じ方が変わることが読み取れます。
これは私見ですが、口コミを見る際は星の数だけでなく、投稿者の体格や身長が自分と近いかどうかを確認することが大切だと感じています。
同じイスでも、体格差によって評価がまったく逆転することが珍しくないからです。私も身長が高めなので、口コミを見るときは必ず投稿者の身長を確認するようにしています。
リモートワークチェア選びに関する考察・今後の見通し

ここからは筆者としての考察を書いていきます。
まず率直に感じるのは、リモートワーク向けチェア市場が「価格」と「機能」の二極化からさらに細分化しつつあるということです。
かつては「安いか高いか」でしか語られなかった椅子選びが、今ではingのように運動不足解消というライフスタイル課題に応えるモデルや、FABREやAnyのようにインテリア性を重視したモデルまで、悩みごとに専門特化した製品が増えています。
これは、リモートワークが一時的な流行ではなく、働き方の一つの選択肢として定着したことの表れだと考えられます。
私自身、ダイニングチェアで腰を痛めてオフィスチェアに買い替えた身として言えるのは、「安物買いの銭失い」になりやすいのがまさにこのイス選びだということです。
最初は「椅子にそんなにお金をかけなくても」と思っていたのですが、結局は整体に通う羽目になり、通院費のほうが椅子の差額よりずっと高くついてしまいました。
個人的には、毎日6時間以上パソコンに向かう人ほど、初期費用をケチらずランバーサポート付きの2〜3万円台以上のモデルを選んだほうが、結果的に体への負担や見えないコストを抑えられるのではないかと感じています。
これは「My Best」の調査で、価格帯によってサポート機能の充実度に差が見られたことからも裏付けられる傾向だと思います。
さらに、厚生労働省の腰痛予防指針が示すように「正しい姿勢」を保つことの重要性は今後も変わらないテーマでしょう。
今後は、AIやセンサー技術を使って座っている人の姿勢をリアルタイムで検知し、自動でランバーサポートやロッキングの強さを調整してくれるような「自動調整型」のチェアがさらに普及していくのではないかと予想しています。
実際、FABREやMonetのようにロッキング強度を自動調整する機能はすでに登場しており、これは今後のスタンダードになっていく可能性が高いと筆者は見ています。
もう一つ付け加えたいのは、リモートワークチェアは「イスだけで完結しない」という視点です。
デスクの高さやモニターの位置とのバランスが崩れていると、どんなに高機能なイスを選んでも猫背や前傾姿勢は改善しにくいものです。
私も椅子を替えた直後は良くなった気がしたのですが、モニターの位置が低いままだったせいで首の前傾は治らず、結局モニターアームを導入してようやく本当の意味で楽になった経験があります。
イス選びと合わせて、作業環境全体を見直すという意識を持つことが、結果的に体への負担軽減につながると私は考えています。
そしてもう一点、私が実際に複数のチェアを試座して痛感したのは、カタログスペックだけで選ぶことの危うさです。
同じ「ランバーサポート付き」でも、腰に当たる位置が数センチ違うだけで、フィット感がまるで別物になることがありました。
可能であれば、ショールームや店頭で実際に座ってみてから選ぶことを強くおすすめします。
まとめ:リモートワーク椅子・チェアは「姿勢」「サイズ」「動き」で選ぼう
リモートワーク向けのイス選びでは、骨盤を起こしてS字姿勢を保てるか、自分の体格に合わせて調整できるか、適度に体を動かせて疲労を溜め込まないか、この3つのポイントが何より重要でした。
ingやENTRY2、FABREなど、それぞれ違う悩みに特化したモデルが存在するので、自分が一番解決したい課題は何かを考えてから選ぶのが失敗しないコツです。
市場全体の価格帯も8,000円台から15万円前後まで幅広く、機能と予算のバランスを見ながら、自分の座り方や体格にフィットする一脚を見つけてくださいね。
私自身、ダイニングチェアで腰を痛めた経験があるからこそ、椅子選びは「後回しにしない方がいい投資」だと胸を張って言えます。
よくある質問
リモートワークチェアはハイバックとローバックどちらを選ぶべき?
長時間の後傾姿勢で休憩することが多い人や、肩・首までしっかり支えてほしい人はハイバックが向いています。前傾姿勢での作業が中心で、コンパクトに使いたい人はローバックが合いやすい傾向にあります。
リモートワーク用のイスは何を最優先で選べばいい?
まずはランバーサポートの有無と、座面・背もたれの高さ調整ができるかどうかを確認するのがおすすめです。体格に合わせて細かく調整できるほど、長時間座っても疲れにくくなる傾向があります。
ダイニングチェアでリモートワークを続けるのは良くない?
家庭用のダイニングチェアはパソコン作業時の姿勢を想定して作られていないため、長時間座ると疲れがたまりやすいとされています。毎日数時間デスクワークをするなら、専用のワークチェアへの切り替えを検討したほうがよいでしょう。


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