士業・専門職(経理・社労士・行政書士等)のリモートワーク事情

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結論から言うと、経理職はクラウド会計の普及で在宅化がかなり進んでいる一方、行政書士や医療事務の窓口業務は今もリモート化が遅れがちだ、というのが実態なわけです。

同じ「専門資格を活かした仕事」でも、業務の中身によって在宅化のスピードにかなり差があるって知ってました?

この記事では、経理・社労士・税理士・行政書士・医療事務・管理栄養士という6つの専門職について、求人サイトや業界メディアの公開情報をもとに在宅化の進み具合を比較していきます。

※本記事の求人動向・傾向は、doda、Indeed、求人ボックス、MS-Japan、KOTORAなど各求人媒体・業界メディアの公開記事を参照して構成しています(確認:2026年7月時点)。求人内容・給与・募集状況は日々変動するため、応募の際は必ず募集企業・求人サイトの最新情報をご確認ください。

経理はなぜ在宅化が進みやすいのか?

経理職は、専門資格を活かす仕事の中でもリモートワーク求人の母数が多いジャンルです。

管理部門専門の転職エージェントMS-Japanの解説記事によれば、経理部門でも在宅・リモートワークが可能な求人はおおむね半数程度に上るとされ、在宅対応できる企業の特徴としてクラウド会計システムを導入している企業やIT・通信業界が挙げられています。

理由はシンプルで、仕訳入力や請求書処理といった業務が「型」にはめやすく、オンラインで完結しやすいからなわけです。

実際にdodaの求人ページを見ると、「経理事務×リモートワーク・在宅勤務」というキーワードだけで公開求人が2,000件を超える規模になっており(掲載時点)、フルリモートを掲げるプライム上場企業の管理会計・原価計算職なども見つかります。

派遣求人サイトのジョブチェキやtype転職エージェント系の求人でも、フルリモートの経理アシスタント・経理事務案件は継続的に掲載されている印象です。

一方で、決算取りまとめや管理職ポジションになると話は別です。

複数の求人情報を見比べると、「フレックス・リモートワーク可」と掲げつつも、管理職候補としては週に数日の出社が前提になっている募集が少なくありません。

つまり経理は、入力・仕訳中心の実務ほど在宅化が進みやすく、決算統括や管理職ポジションになるほど出社比率が上がる、という二極化が起きているのが今のリアルなところです。


社労士・税理士業務はどこまでリモート対応できる?

社労士や税理士が関わるバックオフィス業務でも、リモートワークを掲げる求人は着実に増えています。

とはいえ、経理ほど一気に在宅化が進んでいるわけではないというのが実情です。

人材紹介会社KOTORAのコラムでは、社労士の仕事は従来、企業訪問や対面での打ち合わせが中心とされてきたものの、書類作成や労務相談などフルリモート対応が可能な業務も増加していると解説されています。

dodaやIndeedに掲載されている社労士事務所・労務コンサル系の求人を見比べると、「在宅勤務可・土日祝休み」を掲げる労務相談メインのポジションが目立ち、年収レンジとしては300万円台後半〜600万円程度が多い印象です(求人ごとに幅があります)。

外資系企業向けの労務アウトソースサービスでは、フレックス・リモート可を打ち出す求人も見られました。

社労士業務そのものは、給与計算や社会保険手続きといった「作業」の部分は在宅化が進みやすい一方、顧客との対面相談や巡回監査が発生する業務は出社が前提になりやすい構造があります。

この傾向は、定型化された事務作業ほど在宅化が進みやすいという、テレワーク全般でよく指摘される原則とも重なる部分が多いように感じます。

税理士事務所についても同様で、税務会計というコア業務を担いながら在宅勤務を前提にする求人が徐々に増えている一方、顧客との信頼関係構築が重視される相談業務は対面が残りやすいという構図が見えてきます。


行政書士業務が在宅化しにくい理由とは?

行政書士業務そのものを完全在宅で募集する求人は、経理や社労士業務に比べるとまだ数が限られています。

なぜなら、許認可申請や現地確認を伴う業務が中心で、対面・現場対応が求められる場面が多いからです。

行政書士向けの情報サイト「行政書士で食えちゃいました」の解説では、「行政書士 在宅」「行政書士 リモートワーク」で検索すると該当求人は見つかるものの、契約書チェック業務や書類作成アシスタントの求人が多い印象だと紹介されています。

つまり、独占業務である許認可申請の代理そのものではなく、その周辺にあるリサーチ・書類作成パートが在宅化の入り口になっているわけです。

doda掲載の求人を見ても、税理士法人・行政書士法人が併設するバックオフィス部門で「在宅週1日」「リモート勤務可」を掲げる例が見られますが、行政書士資格保有者が担う中核業務そのものがフルリモートというケースは、経理・社労士系に比べると少数派という印象です。

行政書士は許認可申請や書類作成など、対面・現地確認を伴う場面が多い仕事です。

そのため、経理や税務ほど単純にフルリモート化しにくい面があるのは否めません。

ただし、書類作成やリサーチといった事務パートを切り出して在宅対応にする動きは、今後じわじわ広がっていく可能性があるでしょう。


医療事務と管理栄養士で在宅化の差が生まれる理由

士業・専門職と少し毛色は異なりますが、医療事務や管理栄養士も「専門資格を活かした在宅ワーク」としてよく検索される職種です。

面白いのは、同じ「対面が前提」だった資格職でも、両者で在宅化の進み具合がまったく違う点なわけです。

医療事務については、医療事務専門メディア「ソラジョブ医療事務」や「ソラスト教育サービス」の解説記事で、カルテ登録やレセプト業務はリモートワークとの親和性が高い一方、窓口対応・受付業務は患者対応が発生するため在宅化が難しいと説明されています。

求人ボックスなどで検索件数自体は多く出てきますが、実際には「一部在宅」「週数日リモート」といった条件が中心で、完全在宅の医療事務求人はまだ少数派だとされています。

一方、管理栄養士は「特定保健指導」という業務がオンラインと非常に相性がよく、リモートワークが広がっているジャンルです。

RIZAPグループが公式求人ページで募集している「完全在宅RIZAP特定保健指導員」は、業務委託契約で初回面談から最終評価までをオンラインで一貫して担当し、専用アプリで記録・継続支援まで完結する設計になっています。

SOMPOヘルスサポート株式会社も、保健師・管理栄養士による在宅オンライン保健指導を全国規模で展開しており、対面が当たり前だった栄養指導という業務が、完全リモートで成立する好例になっています。

求人サイトに掲載されている業務委託型の特定保健指導案件を見ると、初回面談1件あたり数千円程度の単価が設定されているケースが多く、案件数に応じて収入が変わる仕組みが一般的なようです。

管理栄養士資格は「対面での栄養指導」から「オンライン面談中心の在宅ワーク」へと、働き方の選択肢が広がっている資格のひとつだと言えます。


専門職の在宅化レベルを一覧で比較すると

ここまでの内容をざっくり一覧にすると、次のような傾向が見えてきます。

| 職種 | 在宅化の進み具合 | 在宅化しやすい業務 |

|—|—|—|

| 経理 | 進んでいる | 仕訳入力・請求書処理 |

| 社労士・税理士 | 一部進んでいる | 給与計算・書類作成 |

| 行政書士 | 限定的 | 契約書チェック・書類作成補助 |

| 医療事務 | 限定的 | カルテ入力・レセプト業務 |

| 管理栄養士 | 進んでいる分野あり | オンライン特定保健指導 |

あくまで筆者が今回確認できた求人・記事の範囲での傾向整理であり、業界全体を網羅した統計ではない点はご留意ください。


在宅求人票を見極める3つのチェックポイント

ここでひとつ、他の比較記事ではあまり触れられていない実践的な視点を加えておきたいと思います。

求人票の「リモート可」「在宅勤務OK」という表記だけを鵜呑みにすると、入社後にミスマッチが起きやすいというのが、複数の求人サイトを定点観測してきて感じるところです。

まずチェックしたいのが、「フルリモート」なのか「一部在宅(週1〜2日)」なのかという頻度の明記です。

同じ「リモート可」でも、月1回の出社研修が条件になっているケースと、完全にオンラインで完結するケースでは、働き方がまったく違ってきます。

次に見るべきは、雇用形態が正社員なのか業務委託なのかという点です。

管理栄養士の特定保健指導のように、業務委託・案件単価制の在宅求人は間口が広い一方、収入が案件数に左右されやすいという特性があります。

最後に確認したいのが、コア業務なのか周辺業務なのかという線引きです。

行政書士の在宅求人の多くが「書類作成アシスタント」であるように、資格そのものの独占業務ではなく周辺パートだけが切り出されているケースは珍しくありません。

この3点を意識して求人票を読むだけで、「在宅のはずだったのに実際は違った」というギャップはかなり減らせるはずです。


コロナ前後で専門職のリモートワークはどう変わった?

もう少し時間軸を広げて考えてみたいと思います。

コロナ禍前の2019年頃までは、経理や税務・労務といったバックオフィス業務は「出社して紙の書類を扱う仕事」というイメージが強かったはずです。

それが2020年以降、クラウド会計ソフトの普及や電子契約の一般化によって、状況は大きく変わりました。

仕訳入力や請求書処理をクラウド上で完結できるようになったことで、経理は在宅化が進みやすい専門職のひとつに変わっていったわけです。

社労士・税理士業務についても、電子申請の対応範囲が広がったことで、書類作成パートの在宅化は着実に進んできました。

ただし、顧客との信頼関係構築や対面相談が重視される部分は、コロナ後も対面回帰の傾向が一部で見られます。

行政書士業務や医療事務のように、現場性・対面性が強い業務は、コロナを経てもなお在宅化のペースが緩やかなままだというのが実感です。

こうして時系列で見てみると、専門職の在宅化は一律に進んだわけではなく、「電子化・オンライン化しやすい業務から順番に」進んできたというのが、この5〜6年の実態だったと私は捉えています。


専門職のリモートワークは今後どうなっていく?(筆者の見立て)

ここからは私自身の見立てを書いておきたいと思います。

まず経理については、クラウド会計ソフトの普及やインボイス制度対応の電子化が進んだことで、仕訳入力や請求書処理といった業務はますますリモートと相性が良くなっていくと考えられます。

複数社の経理経験を積みながら在宅で市場価値を上げていく、という働き方を打ち出す求人が増えてきていることは、その流れを裏付けていると私は感じています。

社労士・税理士関連の業務は、対面での相談や信頼関係構築が重視される分野だけに、経理ほど一気に完全在宅化が進むとは考えにくいものの、給与計算や書類作成といった「作業」パートは着実にリモート対応が広がっていくでしょう。

士業事務所が採用の場でリモート制度を積極的にアピールしている事実そのものが、若手・中堅の有資格者を確保するための競争が激しくなっていることの裏返しだと私は感じています。

行政書士業務については、許認可申請の電子化・オンライン化が国レベルで進めば進むほど、書類作成部分のリモート対応は今後増えていく可能性が高いと見ています。

現時点ではフルリモート求人が少ない分野だからこそ、これから先行して在宅対応を打ち出す事務所は、採用面で有利になるのではないでしょうか。

そして意外な伸びしろとして注目したいのが、管理栄養士の「オンライン特定保健指導」です。

対面が当たり前だった栄養指導という業務が、案件単価や業務フローまで明確に定義された形で完全リモート化された好例だと私は考えています。

士業・専門職のリモートワークを考えるうえで、「対面が前提だと思われていた仕事でも、業務を分解すればオンライン化できる部分がある」という気づきを与えてくれる事例として、他の専門職にも参考になる動きだと感じています。


まとめ:業務を「型」にできるかどうかが在宅化の分かれ目

経理・社労士・税理士・行政書士・医療事務・管理栄養士という専門職のリモートワーク事情を比較すると、業務内容が定型化しやすいか、オンラインで完結できるかによって在宅化のスピードに差が出ているのが、今回確認できた範囲での傾向です。

比較的在宅化が進んでいるのは経理と管理栄養士の特定保健指導、逆に限定的なのが行政書士業務と医療事務の窓口対応、というのがここまで見てきた比較の大まかな構図です。

自分の専門スキルを活かして在宅ワークを探すなら、求人票の「リモート可」の中身が「週1日在宅」なのか「フルリモート」なのか、正社員なのか業務委託なのかまでしっかり確認することが、ミスマッチを防ぐ一番のポイントになるはずです。


よくある質問

経理でフルリモートの求人はある?

あります。

dodaなどの求人サイトでは、フルリモート×フレックスで経理を募集するプライム上場企業の求人などが継続的に掲載されています。

ただし決算取りまとめなど上位職になるほど、出社比率が上がる傾向がある点には注意が必要です。

社労士や税理士の仕事は在宅でできる?

給与計算や書類作成といった業務パートは在宅対応が広がっています。

一方で、顧客対応や巡回監査を含む業務は対面が前提になっているケースも多く、事務所によって在宅の度合いに差があります。

管理栄養士の在宅ワークはどんな内容が多い?

RIZAPやSOMPOヘルスサポートのように、オンラインでの特定保健指導を担う業務委託求人が中心です。

案件単位で単価が決まる仕組みが多く、対応件数によって収入が変わる働き方になっているのが特徴です。

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