リモートワークで英語力は必要?

自宅のデスクでノートパソコンを開き、オンライン会議をしながら英語のメモを取るビジネスパーソン 未分類

結論から言うと、リモートワーク自体に英語力は必須ではありません。

ただし海外企業や海外の取引先と関わる機会が増えるほど、英語力は仕事の選択肢を大きく広げる武器になる——これが今回あらためて調べ直して私が至った見立てです。

「これからリモートワークが当たり前になったら、英語って本当に必要なの?」——そんな疑問を持ってこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

今回は「リモートワーク」という言葉の成り立ちから、海外での普及データ、実際に使われる英語表現、そして直近のオフィス回帰の動きまで、一つひとつ順を追って解説していきます。読み終える頃には、「〜なわけです」と誰かに説明したくなるくらい、リモートワークと英語の関係がクリアになっているはずですよ。

リモートワークに英語力は必須?結論を先にお伝えします

まず答えを言ってしまいましょう。日本国内の企業で、国内の同僚とだけ仕事をするリモートワークであれば、英語力がなくても業務自体は問題なくこなせます。

一方で、リモートワークの普及によって物理的な移動時間がなくなった結果、海外のパートナーとやり取りする機会そのものが増えている、という現実があります。

海外との商談や打ち合わせがオンライン会議で完結するようになったことで、これまで出張ベースだった海外ビジネスが、日常的なリモート商談に置き換わりつつあるわけです。

つまり「リモートワークだから英語が必要」というよりも、「リモートワークが海外との接点を増やしたことで、結果的に英語力が問われる場面が増えた」というのが正確な言い方だと私は考えています。


そもそも「リモートワーク」「テレワーク」とは?語源から丁寧に解説

英語力の話に入る前に、そもそも「リモートワーク」という言葉自体の意味を整理しておきましょう。ここを押さえておくと、この後の英語表現の違いがぐっと理解しやすくなります。

「リモートワーク」は英語の「remote(遠隔の)」と「work(労働)」を組み合わせた言葉で、オフィスから離れた場所で働く勤務形態を指します。自宅はもちろん、カフェやレンタルオフィスなど、働く場所に制限がないのが特徴です。

似た言葉に「テレワーク」がありますが、厚生労働省の「テレワーク総合ポータルサイト」では「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されています。

具体的には、パソコンなどのICTツールを使った在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィスという3つの働き方の総称が「テレワーク」なわけです。

興味深いのは、この「テレワーク」という働き方が生まれた背景です。1970年代、アメリカのロサンゼルス周辺で、エネルギー危機とマイカー通勤による交通渋滞・大気汚染の緩和を目的として始まったとされています。

意外かもしれませんが、テレワークはコロナ禍で生まれた新しい概念ではなく、実は50年以上前からアメリカにあった発想だったんですね。

英語の「telecommuting」は、当時ロサンゼルス周辺で都市計画や通信政策の研究に携わっていたエンジニア、ジャック・ニールズによる造語だと言われています。

「tele」は「遠い」「遠距離の」という意味の接頭語で、telephone(電話)やtelevision(テレビ)、telescope(望遠鏡)などでもおなじみですよね。この「tele」に「commuting(通勤)」や「work」がくっついて、「(会社から)離れた場所で働く」という意味の単語になったわけです。

日本語では「テレワーク」と「リモートワーク」はほぼ同じ意味で使われますが、しいて言えば、テレワークは政府や自治体などフォーマルな文脈で使われやすく、リモートワークは日常的な場面で幅広く使われる傾向があります。


リモートワークで英語力が求められるのはどんな場面?

海外の同僚とオンライン会議画面越しに商談をしている様子
※画像はAIによるイメージ

ここからが本題です。リモートワークで実際に英語力が必要になるのは、主に次のような場面だと考えられます。

  • 海外拠点や海外パートナーとのオンライン会議
  • 海外企業との商談・契約交渉
  • 外資系企業や海外クライアントとのメール・チャットでのやり取り
  • 海外で働きながら仕事をする「デジタルノマド」的な働き方

物理的な移動時間がなくなれば、当然、海外のパートナーとのコミュニケーション量そのものが増加します。欧米諸国はコミュニケーションを重視する文化圏ですから、リモート商談を重ねることで信頼関係を築いていくことができるわけです。

米調査会社ガートナーが2020年3月に実施したCFO(最高財務責任者)317人への調査では、約74%の企業が従業員の一部を恒久的にリモートワークへ移行する意向を示しており、うち約4分の1は従業員の20%以上を対象にすると回答しています。

コスト削減の観点からリモートワークを恒久化する企業がこれだけ多いという事実は、海外ビジネスがオンライン前提に移行していく流れが一時的なブームではないことを示しているように思います。

海外ビジネスがオンラインで完結しやすくなったからこそ、いざという時に英語でのコミュニケーションが取れるかどうかが、仕事のチャンスを左右する場面が今後さらに増えていくのではないでしょうか。


海外ではリモートワークがどれだけ普及しているのか

「そもそも海外のリモートワーク事情ってどうなの?」という点も、英語力の必要性を考えるうえで押さえておきたいポイントです。

厚生労働省の「テレワーク総合ポータルサイト」が紹介するコロナ禍以前の主要国のリモートワーク導入状況は、次のとおりです。

  • アメリカ:85.0%
  • イギリス:38.2%
  • ドイツ:21.9%
  • フランス:14.0%
  • 日本:19.1%(総務省2018年調査・従業員100人以上の企業が対象)

数字だけ見ても、アメリカが圧倒的にリモートワーク先進国であることが分かります。

ここで一点、注意しておきたいことがあります。

  • 日本の19.1%は「従業員100人以上」という条件付きの2018年時点のデータ
  • アメリカ側の85.0%とは、厳密には調査年・母集団がそろっていない
  • 単純な横並び比較というより、「導入の出発点にこれだけの差があった」という大まかな傾向としてとらえるのが正確

コロナ禍に入ると、この差はさらに広がりました。パーソル総合研究所が継続実施している「テレワークに関する調査」によれば、日本国内の正社員テレワーク実施率は感染拡大初期の2020年から上昇傾向をたどり、2022年7月調査時点でテレワーク実施者の継続希望率は80.9%と、調査開始以降の最高値を記録しています。

一方フランスでもリモートワークに関する労使間の合意が2020年11月に成立するなど、環境整備が急速に進みました。

日本ではどうかというと、大手企業やベンチャー企業を中心に一時的にリモートワーク熱が高まったものの、中小企業では普及が思うように進まず、感染状況の落ち着きとともに出社回帰の動きも見られる、というのが実情です(この点は後段の「考察」で詳しく触れます)。

なぜアメリカでこれほどリモートワークが根付いたのか。その背景には評価制度の違いがあると私は見ています。

アメリカでは個人に成果が求められ、責任の所在が明確です。どこで何をしていようと成果さえ出せば評価される、という非常にシンプルな仕組みなんですね。

一方、日本の評価制度は成果が個人ではなく組織に帰属しやすく、チームワークや組織への貢献姿勢が評価されやすい文化があります。この違いが、マネジメントスタイルとしてリモートに向いているかどうかを左右しているように思います。


リモートワーク関連の英語表現まとめ【一覧表】

ここで、リモートワークに関連する英語表現を整理しておきましょう。同じような場面で使われますが、実は英語圏では細かいニュアンスの違いがあるとされています。

| 日本語 | 英語表現 | ニュアンス |
|—|—|—|
| リモートワーク | remote work / work remotely | 居住場所を問わず、どこからでも働けるイメージ |
| テレワーク | telework(ing) / telecommute(ing) | 就業場所は基本オフィスで、会社近くに住みつつ必要に応じて社外で働くイメージ |
| 在宅勤務 | work from home(WFH) | 自宅から仕事をすること。コロナ禍で急速に広まった表現 |
| フルリモート | fully remote / 100% remote | 一度も出社しないリモート勤務 |
| ハイブリッドワーク | hybrid work(ing) | 出社とリモートを自由に組み合わせる働き方 |
| ノマドワーカー | digital nomad | 特定の場所にとらわれず移動しながら働く人 |

面白いのは、日本語の「テレワーク」は英語圏では実はそこまで一般的に使われていないという点です。「telework」も「telecommute」も、コロナ禍以降の在宅ワークを指す言葉としては、あまり浸透していないようなんですね。

また「work from home」と似た表現に「work at home」がありますが、この2つには微妙な違いがあるとされています。「work at home」は単に「家で働く」という意味で、もともと自宅を拠点にしていた自営業者などに使われる一方、「work from home」は普段オフィス勤務の人がコロナ禍などをきっかけに在宅勤務になった、というニュアンスを含むとされます。

さらに、自宅以外の様々な場所で働けることを表す「work from anywhere(WFA)」という表現もあり、これは「在宅勤務」の対義語として使われる英語表現です。「どこからでも働ける」という、まさにリモートワークの本質を表した言葉だと言えるでしょう。

ただし、こうした「telework=オフィス近郊」「remote work=居住地不問」という区別は、あくまで一般的な傾向として語られているものであり、英語ネイティブの実際の使い方には揺れもあるようです。断定的に覚えるより、「そういう使い分けをする人が多い」くらいの感覚で押さえておくのが安全だと私は思います。


ハイブリッドワークの英語表現(Microsoft・Twitter・Dropbox事例)

開放的なオフィスで出社勤務とオンライン参加が混在するハイブリッドな会議風景
※画像はAIによるイメージ

リモートワークが定着してくると、次に注目されるようになったのが「出社とリモートを組み合わせる」ハイブリッドワークです。

マイクロソフトは公式の年次報告書「Work Trend Index」の中で、ハイブリッドこそがこれからの働き方だと表明しています。同社は「柔軟性を支援する方針の策定」「物理的空間の再考」「どこからでもつながれるテクノロジーへの投資」という3つの軸で戦略を進めているとのことです。

コロナ禍のピーク時には、先進的な取り組みをする企業として、いくつかの海外大手企業の名前がメディアで取り上げられました。Twitter(現X)は2020年5月、従業員に対してリモートワークを「恒久的」に認めると発表し、Dropboxは個人作業用のオフィス空間を原則廃止して会議やコラボレーション用の空間に転換、Spotifyは2021年に世界中どこからでも働ける勤務形態を打ち出した、と報じられています。

こうしたグローバル企業の動きを見ると、働く場所の自由度を経営戦略として位置づける発想が、海外ではかなり早い段階から進んでいたことが分かります。

こうした海外拠点とのやり取りの現場で活躍しているのが、ビデオ会議やチャット機能を備えたグループウェア「Microsoft Teams」です。日本経済新聞の報道によれば、2020年3月時点で1日あたり3200万人だった全世界のTeams利用者数は、2021年4月には1日あたり1億4500万人を超えたとされています。

さらにマイクロソフトの発表では、2022年時点でTeamsの月間利用者は2億7千万人を突破し、国内では日経225銘柄企業の94%がTeamsを利用しているとのことです。海外拠点との会議がワンクリックで始められる手軽さが、リモートでの国際ビジネスを後押ししているのだと思います。


この記事の要点

ここまでの内容を、いったん3つに整理しておきます。

  • リモートワーク自体に英語力は必須ではないが、海外との接点が増えるほど必要度は上がる
  • 「telework」「remote work」「WFH」には英語圏での使い分けがあるとされる
  • 日本はテレワーク実施率が頭打ち気味で、今後は「ハイブリッドワーク」が現実的な着地点になりそう

この3点を踏まえたうえで、次の「考察」パートでは、私自身の実務経験も交えながらもう少し踏み込んで見ていきます。


考察:リモートワーク時代に求められる英語力とは

ここからは、これまでの事実を踏まえた私なりの考察をお伝えしたいと思います。

まず私が強調したいのは、「リモートワーク=英語必須」という単純な図式ではない、ということです。国内完結の業務であれば、英語力がなくても十分に成果を出せますし、実際にそういう働き方をしている人が大半でしょう。

実は私自身も、以前フリーランスで海外クライアントとリモートでやり取りをしていた時期がありました。特に苦労したのは、時差のあるチャットで契約条件の変更を伝える場面です。「できません」を直接的に書くと角が立つため、英語圏のビジネスチャットでは「I’m afraid it might be tricky to〜」のような婉曲表現を挟むのが定石なのですが、これを知らなかった頃は、率直に断っただけのつもりが相手にかなり硬い印象を与えてしまったことがありました。定型のビジネス英語だけでは足りず、相手の言い回しの柔らかさまで拾えるかどうかで、話がこじれるかスムーズに進むかが分かれる、と肌で感じたのを覚えています。

今回改めて調べてみて感じたのは、リモートワークという働き方そのものが「地理的な距離のハードルを下げる」という点で、結果的に海外との接点を増やす方向に働いている、ということです。物理的な出張が不要になった分、海外パートナーとのオンライン商談の頻度は上がりやすく、これは今後も続く流れだと個人的には見ています。

一方で、直近の動向にも目を向けておく必要があります。パーソル総合研究所が2023年7月に公表した継続調査では、テレワークの実施率自体はここ数年おおむね20%台前半で横ばい〜微減の傾向にあり、同調査で「テレワークの頻度が減った」と回答した人が35.8%にのぼるなど、フル出社への揺り戻し、いわゆる「オフィス回帰」の動きも一定数見られます。

つまり実態としては、「全員がフルリモートに向かう」のではなく、「出社とリモートを組み合わせるハイブリッドワークが標準形になっていく」という方向感の方が、今の日本の状況には近いのではないかと私は考えています。

このオフィス回帰の流れは、英語需要そのものを減らすというより、むしろ「英語が必要な場面」を選別する方向に働くのではないか、というのが私の予想です。日常的な国内業務はオフィス中心に戻りつつも、海外拠点との会議や商談だけはリモートで維持される、という棲み分けが進めば、英語力が問われるのは「限られた場面」でも「避けられない場面」になっていく、という見立てです。

こうした国々とビジネスをするうえで、少なくとも「remote work」「WFH」「hybrid work」といった基本表現を英語で理解できることは、今後ますます実用的なスキルになっていくのではないでしょうか。学習の入り口としては、いきなりTOEICのスコアを狙うより、まずはビジネスチャットやメールでよく使う定型表現を50個ほど覚えるところから始める方が、実務への効果は早く出ると個人的には感じています。オンライン英会話でリモート会議を想定したロールプレイをしてみるのも、実践的な練習になるはずです。

もう一つ付け加えたいのは、英語表現そのものに込められたニュアンスの違いを知ることの意味です。日本語では「テレワーク」も「リモートワーク」もほぼ同じ意味で使われますが、英語圏では「telework」はオフィス近郊在住が前提、「remote work」は居住地を問わない、という違いがあるとされています。こうした細部を理解しておくことは、単なる語学力以上に、海外の働き方に対する解像度を上げてくれる知識だと私は考えています。

英語力そのものは「なくても仕事はできる」スキルです。しかし、リモートワークによって海外との距離が縮まった今、英語力は「持っていると選べる選択肢が増える」武器になっている——これが今回の取材を通じて私が感じた率直な実感です。


まとめ

リモートワークに英語力は必須ではありませんが、海外企業やグローバルなプロジェクトに関わる機会が増えるほど、英語表現の理解は仕事の幅を広げる強力な武器になります。

「テレワーク」「リモートワーク」「在宅勤務」はそれぞれ英語で telework、remote work、work from home と表現され、微妙なニュアンスの違いがあるとされる点も押さえておきたいポイントです。

アメリカ85.0%・イギリス38.2%という導入率の高さや、Twitter・Dropbox・Spotifyといった企業の恒久的なリモート制度導入、Microsoft Teamsの利用拡大が示すとおり、海外ではリモートワークが一つの標準的な働き方として定着しています。

一方で日本では、テレワーク実施率の頭打ちやオフィス回帰の動きも見られ、今後は「フルリモート」よりも「ハイブリッドワーク」が現実的な着地点になりそうです。この流れに乗るためにも、基本的な英語表現から少しずつ触れてみることをおすすめしたいですね。


よくある質問

リモートワークをするのに英語力は絶対必要ですか?

いいえ、国内企業で国内の同僚とのみ仕事をする場合は必須ではありません。ただし海外拠点や海外クライアントと関わる業務では、基本的な英語コミュニケーション力があると仕事の幅が広がります。

「テレワーク」と「リモートワーク」は英語で同じ意味ですか?

日本語ではほぼ同じ意味で使われますが、英語では「telework」は基本的にオフィス近郊に住みながら働くニュアンス、「remote work」は居住地を問わずどこからでも働けるニュアンスとされ、微妙な違いがあるとされています。

「在宅勤務」を英語で言うとどうなりますか?

「work from home」と表現し、頭文字を取って「WFH」と略されることも多いです。もともと自宅を拠点にしていた人を指す「work at home」とはニュアンスが異なるとされる点にも注意しましょう。

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