結論から言うと、リモートワークができる仕事は「パソコンとネット環境だけで完結し、対面でのやり取りが必須ではない」職種に集中しているわけです。
具体的にはIT系、クリエイティブ系、マーケティング系、事務・バックオフィス系などが代表格。
この記事では、リモートワークでできる仕事・職種を業界別・職種別にまるっと一覧化しつつ、未経験からの始め方や求人の探し方まで踏み込んで解説していきます。
リモートワークとは? テレワーク・在宅ワークとの違いは?
リモートワークとは、会社のオフィス以外の場所で働くスタイルのことです。自宅、カフェ、コワーキングスペースなど、場所を選ばずに仕事ができるのが特徴なわけです。
似た言葉に「テレワーク」「在宅ワーク」がありますが、実務上はほぼ同じ意味で使われることが多いんですよね。
厳密に言うと、テレワークは総務省なども使う最も広い概念で、「情報通信技術を活用して時間や場所にとらわれない働き方」全般を指します。
リモートワークは英語の「remote work」由来で、ビジネスシーンや国際的な文脈でよく使われる言葉。
そして在宅ワークは、その中でも特に「自宅」で行う働き方に限定した、いちばん狭い概念です。
ざっくり「テレワーク>リモートワーク>在宅ワーク」という包含関係で覚えておくと迷わないでしょう。
この言葉の整理だけでも、実は求人検索の精度が変わってきます。求人サイトで「在宅ワーク」だけで検索すると、内職的な軽作業まで含まれてヒット数が絞りにくくなる一方、「フルリモート」で検索すると正社員のオフィス外勤務求人に近づく、といった実務的な違いがあるんです。
リモートワークの導入率はどのくらい? 個人ベースと企業ベースを分けて見る
読者の方が気になるのは「そもそも自分の業界でリモートワークって現実的なの?」という点だと思うんです。
ここで重要なのが、統計には「働く個人が実際にテレワークをした割合」と「企業として制度を導入している割合」の2種類があるということ。この2つを混同すると数字の意味を取り違えてしまうので、まず表で整理しておきます。
| 年 | 個人ベースのテレワーク実施率 | 出典 |
|—|—|—|
| 2019年 | 20.2% | 総務省 通信利用動向調査 |
| 2020年 | 47.5% | 総務省 通信利用動向調査 |
| 2021年 | 51.9% | 総務省 通信利用動向調査 |
| 2022年 | 51.7% | 総務省 通信利用動向調査 |
| 2023年 | 49.9% | 総務省 通信利用動向調査 |
| 2024年 | 47.3% | 総務省 令和6年版情報通信白書 |
この表から読み取れるのは、コロナ禍の2020〜2021年にかけて急伸したあと、ここ数年はゆるやかな横ばい〜微減で落ち着いているという流れです。
つまり「一時的なブーム」ではなく「新しい働き方の一つとして定着しつつも、全員が使うわけではない選択肢」に落ち着いてきた、と見るのが実態に近いでしょう。
業界別の個人ベース実施率(2020年時点、総務省「令和3年版情報通信白書」)を見ると、情報通信業が55.7%でトップ、学術研究・専門技術サービス業が43.2%で続きます。
一方、医療・介護・福祉は4.3%、宿泊業・飲食サービス業は11.1%、運輸業・郵便業は11.3%と、対人ケアや現場作業が中心の業界では導入がほとんど進んでいません。
これとは別に、企業として制度を導入している割合(企業ベース、総務省「令和4年通信利用動向調査報告書」企業編)を見ると、情報通信業は97.6%、金融・保険業は84.3%とさらに高い水準になります。
これは「制度はあるが全員が毎日使っているわけではない」という実態を示しており、企業ベースの数字だけを見て「ほぼ全員がリモートで働いている」と誤解しないよう注意が必要です。
いずれの調査軸で見ても、情報通信業・金融保険業が突出して高いという傾向は共通しています。つまりリモートワークができる仕事を探すなら、まず「業界選び」が最初の関門だということですね。

リモートワークで人気の業界は? IT・マーケ・教育など5分野
業界単位で見ると、リモートワークと相性がいいのは次の5つです。
- IT・テクノロジー業界:ソフトウェア開発、SaaS、クラウドサービス、AI・機械学習、FinTechなど
- デジタルマーケティング業界:広告代理店、SEO分析、コンテンツ制作、SNS運用代行など
- 教育・Edtech業界:オンライン教育プラットフォーム、語学学習サービス、プログラミングスクールなど
- メディア・出版業界:Webメディア、動画配信、電子書籍、ポッドキャストなど
- ヘルスケア・遠隔医療業界:遠隔医療サービス、健康管理アプリ、医療データ分析など
このなかでも特にEdtech(Education×Technologyの造語)は近年注目度が高い分野です。
オンライン学習プラットフォームやAIを活用した個別学習ツールなど、テクノロジーで教育の効率を高めるサービスが次々に生まれているんですよね。
こうした業界の共通点は「成果物や業務プロセスがそもそもデジタルデータで完結する」という点。これがリモートワークのしやすさに直結しているわけです。
裏を返せば、業界を選ぶ段階でリモート適性の7割方は決まってしまうとも言えます。職種選びの前に、まず業界の土台を見極めることが遠回りに見えて実は近道なんです。
リモートワークができる仕事・職種一覧【職種別に完全網羅】
ここからが本題。実際にリモートワークできる仕事を、職種カテゴリー別に一覧でご紹介します。
IT系職種はどれくらいリモートに向いている?
エンジニア職はリモートワークとの相性が特に良い代表格です。
- プロダクトマネージャー/スクラムマスター
- フルスタックエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- サーバーサイド/バックエンドエンジニア
- モバイルアプリ開発者
- クラウドエンジニア
- AI開発エンジニア
- データサイエンティスト
- DevOpsエンジニア
- セキュリティエンジニア
- システムエンジニア(SE)
- プログラマー
システムエンジニアは要件定義や設計、進捗管理などの上流工程を担うポジションで、プログラマーはその設計書をもとに実装を行う下流工程が中心。
顧客との打ち合わせが少ない分、プログラマーの方がよりリモートに向いているとされますが、企業のセキュリティ方針によっては出社が求められる場合もあるので要確認です。
未経験からの入り口としては、バックエンドやフロントエンドのプログラマー求人が比較的門戸が広い傾向にあります。ポートフォリオを作り込んで応募できる分、実務経験の有無より成果物で判断されやすいジャンルだからです。
マーケティング系職種は未経験でも狙える?
- SEOスペシャリスト/SEOコンサルタント
- コンテンツマーケター
- SNSマーケター
- Webアナリスト
- グロースハッカー
- マーケティングリサーチ・分析職
このジャンルはデータ分析や資料作成、施策立案が業務の中心なので、フルリモートで完結しやすいのが特徴です。
未経験からだと、まずコンテンツマーケターやSNSマーケターのアシスタントポジションから入り、数値レポートの作成や運用実務を積みながらSEOやWebアナリストへステップアップしていくキャリアパスがよく見られます。
自分のブログやSNSアカウントを実際に運用した経験は、面接で「実践力の証明」として評価されやすい業界でもあります。

デザイン・クリエイティブ系職種は文系出身でも大丈夫?
- UIデザイナー
- UXデザイナー
- Webデザイナー
- グラフィックデザイナー
- プロダクトデザイナー
- イラストレーター
- 動画編集者
このジャンルの面白いところは、専門学校を出ていなくても、文系出身でもチャレンジしている人が少なくないという点。
近年はソフトウェアの操作スキルそのものが成果に直結しやすく、AIツールの普及によって「スタートラインがリセットされている」時期とも言えるでしょう。
特に動画編集者は、未経験からでも案件単位(業務委託)で実績を積みやすく、そこからフルリモートの正社員求人にステップアップする人も増えています。ポートフォリオ用の作品を先に用意しておくと、選考のハードルがぐっと下がる印象です。
カスタマーサポート・営業系職種
- カスタマーサクセス
- テクニカルサポート
- インサイドセールス
- オペレーター・アポインター
- 営業・企画営業
クラウド型のCRMシステムを導入している企業も多く、自宅からでも電話・チャット・メール対応がスムーズに行える環境が整いつつあります。
インサイドセールスでは、Zoomなどのビデオ会議ツールを使った非対面での提案力・関係構築力が重視される傾向です。
顧客先への訪問が必要な営業職でも、直行直帰でオフィスに立ち寄らずリモートで資料作成や商談準備を行うケースは珍しくありません。
この職種群は、業界特有の専門知識より「コミュニケーション力」と「セルフマネジメント力」が問われるため、異業種からの転職者を積極的に受け入れる企業が多いのも特徴です。
ライティング・編集系職種
- コピーライター
- テクニカルライター
- 編集者・校正者
- 翻訳者
- Webライター/ディレクター
文章の執筆・編集・校正は、基本的にパソコン一台で完結する業務が多く、リモートワークとの相性が抜群です。
翻訳者は一人で黙々と作業を進めるスタイルが多いため、特にリモート適性が高い職種と言えるでしょう。
Webライターは未経験からの参入障壁が低い分、案件単価には大きな幅があります。まずはクラウドソーシングで実績と得意ジャンルを作り、その実績を武器に企業のオウンドメディア案件やディレクション業務へ移行していくのが定番ルートです。
バックオフィス・事務系職種
- 一般事務・庶務
- 人事(教育系ポジション)
- 秘書(オンライン秘書)
- キャリアカウンセラー/キャリアアドバイザー
- 業務推進の企画職
一般事務は入力作業や書類整理が中心のため、必要なデータやツールが手元にあればリモートで対応可能なケースが多いです。
ただし郵送物の受け取りや来客対応が絡む業務は自宅完結が難しく、週1〜2日出社という条件つきの求人も目立ちます。
事務系は求人数自体は多いものの、フルリモート限定となると一気に選択肢が絞られるのが実情です。「フルリモート」と「ハイブリッド(週数日出社)」を両方候補に入れて探すと、現実的な選択肢が増えるでしょう。
幹部ポジション・CxO職
役員クラスやマネジメント層もリモートワークに適したポジションの一つです。
戦略策定や意思決定はオンラインの経営会議で行い、メンバーへの指示やチーム管理も遠隔で担うスタイルが広がっています。
分散型チームを率いるには、対面以上に「透明性の高い情報共有」と「明確な目標設定」が欠かせないというのがポイントですね。
管理職としてのリモートワークは、プレイヤー時代とは求められる能力が変わります。個人の成果よりも、チーム全体の進捗を可視化する仕組みづくりができるかどうかが評価の分かれ目になる印象です。

リモートワークができる仕事に共通する4つの特徴とは?
一覧を見て「結局どんな仕事がリモート向きなの?」と思った方のために、共通点を整理しておきます。
- 場所を問わず、デジタルツールで業務が完結する
- コミュニケーションが主にメール・チャット・ビデオ会議で成立する
- 成果物を電子データとして納品・管理できる
- 対面での物理的なやり取りを必須としない
逆に言うと、患者や利用者に直接ケアを提供する医療・介護職、モノを直接運ぶ配送・運輸職、現場で手を動かす建設・製造職などは、構造的にリモートワークが難しいということになります。
これは今後テクノロジーがどれだけ進化しても、当面は変わりにくい境界線だと私は見ています。ロボティクスや遠隔操作技術が一部の現場作業を代替する未来はあり得ますが、それは「リモートワークの拡大」というより「自動化・省人化」という別の文脈で語られるべき変化だと考えています。
未経験からリモートワークの仕事に就くには? 求人の探し方と年収の考え方
ここまで読んで「じゃあ実際どうやって始めればいいの?」と思った方も多いはずです。
未経験からリモートワークを目指すルートとして、まず現実的なのは「今の業界のままリモート可の会社に転職する」という方法です。
いきなり職種を変えるより、経験を活かせる分、選考でのアピールがしやすいというメリットがあります。
一方でIT・Web系など新しい職種に挑戦したい場合は、独学やスクールでポートフォリオを用意してから、実務未経験者向けの求人に応募するルートが一般的。
求人の探し方としては、求人サイトの検索条件で「リモート勤務可」「フルリモート」などの絞り込み機能を使う、あるいはリモートワーク特化の求人サービスをチェックするのが効率的です。
面接時には「オンラインでの報連相をどう進めるか」「自己管理をどう担保するか」を具体的に説明できると、採用側の不安を減らせるでしょう。
年収については職種・経験・地域によって大きな幅があり、一律の相場を断定することはできません。
同じ職種でも「フルリモート×正社員」「業務委託」「副業」で条件は大きく変わるため、気になる求人ごとに募集要項を確認するのが確実です。
給与や待遇、募集状況は常に変動するため、最新の条件は必ず各求人サイトや企業の公式情報で確認するようにしてください。
数ある職種の中で、比較的「未経験可」の求人が見つかりやすいのは、Webライター、動画編集者、カスタマーサポート、インサイドセールスあたりだというのが、様々な求人情報を見てきた個人的な肌感覚です。逆にデータサイエンティストやセキュリティエンジニアのような専門性の高いポジションは、未経験からのフルリモート採用はかなり狭き門と言えるでしょう。

リモートワークで働くメリットとは?
リモートワークへの転職・就職を検討する上で、押さえておきたいメリットを整理しておきましょう。
- 通勤時間がゼロになる
- 住む場所を自由に選べる(地方移住なども視野に入る)
- ワークライフバランスが向上する
- ランチ代や通勤用の服装代が下がる
- 自分に合った環境で集中して働ける
特に「住む場所の自由度」は、地方創生や人口減少という日本社会全体の課題とも絡んでくるテーマ。
企業側にとっても、優秀な人材を確保するためにリモートワークの導入は避けて通れない選択肢になりつつあると感じます。
考察:リモートワークができる仕事は今後どうなっていくか
ここからは私見も交えつつ、今後の見通しについて考えてみたいと思います。
まず押さえておきたいのは、コロナ禍をきっかけに一気に跳ね上がったリモートワーク導入率が、ここ数年はやや頭打ち・微減傾向にあるという点です。
これは「感染症対策としての緊急避難的なリモートワーク」から、「本当に自社の業務にフィットする範囲でのリモートワーク」へと、企業側の姿勢が現実路線に移行してきた結果だと私は考えています。
つまり今後は、「なんとなく在宅OK」ではなく、「この職種・このポジションだからリモートで成立する」という、業務内容にひもづいた合理的な線引きがより明確になっていくはずです。
一方で、情報通信業や金融・保険業のようにリモートワーク導入率がすでに9割前後の高水準に達している業界では、今さら完全出社に戻す合理性が薄く、フルリモートやハイブリッド勤務がむしろ標準の働き方として定着していくと見ています。
また個人的に注目しているのは、AI・機械学習の急速な普及がクリエイティブ系職種やライティング系職種の「参入障壁」を大きく変えつつあるという点です。
専門学校を出ていなくてもWebデザイナーや動画編集者として活躍する人が増えている背景には、ツールの進化によって「センスや経験」よりも「使いこなす力」がものを言う時代になってきたことがあるのではないでしょうか。
これはこれからリモートワークの仕事に挑戦したいと考えている未経験者にとって、むしろ追い風になる変化だと筆者としては前向きに捉えています。
もう一つ触れておきたいのが地域差の問題です。総務省「令和3年版情報通信白書」が示した2020年11月時点のデータでは、地域別のテレワーク実施率は関東が36.3%で国内トップ、続いて近畿、東海・北陸・甲信越という順でした。
これは都心部にIT企業や外資系企業が集中していることの裏返しでもあります。
逆に言えば、地方在住でもリモートワークができる仕事に就ければ、都市部との年収格差や情報格差をある程度埋められる可能性があるということ。この構造は今後、地方創生の文脈でもっと語られていくべきテーマだと感じています。
最後にもう一点、未経験者にとっての実務的なハードルにも触れておきたいと思います。
リモートワークの求人は「即戦力」を求める傾向が強く、未経験からいきなりフルリモートの正社員として採用されるのは簡単ではありません。
まずは出社ありの職場やハイブリッド勤務で経験を積み、実績とともに「オンラインでも自走できる」という信頼を積み上げてからリモート比率を高めていく、という段階的なキャリア設計が現実的な近道だと私は考えています。
まとめ
リモートワークができる仕事・職種は、IT系、マーケティング系、デザイン・クリエイティブ系、ライティング・編集系、バックオフィス系、そして幹部ポジションまで、実に幅広く存在します。
共通するのは「業務がデジタル上で完結し、対面でのやり取りが必須ではない」という点。
一方で医療・介護、運輸、製造、建設など、人や物に直接関わる仕事は依然としてリモートワークが難しい領域です。
未経験から目指す場合は、今の経験を活かせる業界でリモート可の求人を探すか、段階的にリモート比率を高めていくキャリア設計が現実的でしょう。
自分のスキルや興味とリモートワーク適性のある職種を照らし合わせながら、業界選び・職種選びを進めていくことが、リモートワークでできる仕事への近道と言えるでしょう。
よくある質問
リモートワークとテレワークは何が違う?
テレワークは情報通信技術を使った柔軟な働き方全般を指す最も広い概念で、リモートワークや在宅ワークはその一部に含まれる言葉です。実務上はほぼ同じ意味で使われています。
リモートワークができる仕事にはどんな職種が多い?
ITエンジニア、Webデザイナー、コンテンツマーケター、ライター・編集者、翻訳者、一般事務など、パソコンとネット環境で業務が完結する職種に多く見られます。
未経験でもリモートワークの仕事に転職できる?
いきなりフルリモートの未経験求人は狭き門ですが、Webライターや動画編集者、カスタマーサポートのように比較的間口が広い職種から始め、今の経験を活かせる業界でリモート可の求人を探す、または出社ありの職場で実績を積んでからリモート比率を高めるという段階的な進め方が現実的です。


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