結論から言うと、子どもの習い事にかかる月謝の平均は月1万円台前半〜後半で、ソニー生命の2025年調査では16,172円という数字が出ている。
ジャンル別に見ると、習字やそろばんは月数千円で始めやすい一方、ピアノや学習塾は月謝以外の出費も重なりやすく、年間トータルでは大きな差がつく。
この記事では、複数の調査データをもとに、習い事別の月謝ランキングと費用の内訳、そして年齢が上がるごとの相場の変化まで具体的に整理していく。
子どもの習い事、月謝の平均はいくら?年齢別の相場は?
子ども一人あたりの習い事費用の平均は、月額1万円台前半から後半が相場だ。
ソニー生命が2025年に行った「子どもの教育資金に関する調査」によれば、学校外教育費(習い事・塾・家庭学習をすべて含む)の月額平均は全体で16,172円という結果になっている。
年齢が上がるほど金額も上がっていく傾向があり、未就学児では月平均9,201円だったのに対し、小学生になると18,530円、中高生では25,282円まで上昇する。
一方、株式会社バンダイが実施した「子どもの習い事に関する意識調査」(2024年公表)でも似た傾向が見られる。
こちらの調査では全体平均が13,607円、未就学児(3〜6歳)が8,644円、小学1年生が12,253円、小学6年生になると15,611円と、学年が上がるにつれて着実に金額が積み上がっていく結果が出ている。
つまり、就学前は月1万円未満に収まることが多いが、小学校に入ると月謝の相場が一段階上がる、というのが実態だと考えられる。
学習塾や複数習い事の掛け持ちが増えることが、この年齢上昇に伴う費用増の大きな要因だろう。
筆者の見立てとしては、この年齢別の伸び方そのものが一つの判断材料になる。
未就学児のうちは月1万円以内でジャンルを絞り、小学校入学のタイミングで学習系を1つ足す、という段階的な設計のほうが、家計へのインパクトを分散できるはずだ。
子どもに人気の習い事ランキングTOP10と月謝相場を一気に見る
まず押さえておきたいのは、どんな習い事が実際に選ばれ、それぞれいくらかかるのかという点だ。
株式会社イオレの「小学生の学習塾・習い事に関するアンケート調査結果」や、Frankelの「子供に人気の習い事ランキングのアンケート調査結果【2024年版】」を踏まえると、人気の習い事ランキングは次のような顔ぶれになる(いずれも調査対象・時期の詳細な明記はなく、複数調査の傾向を筆者が集約したものである点をあらかじめお断りしておきたい)。
- 1位 水泳
- 2位 ダンス
- 3位 ピアノ
- 4位 そろばん
- 5位 英会話
- 6位 武道・格闘技
- 7位 習字
- 8位 サッカー
- 9位 体操
- 10位 学習塾
水泳は基礎体力の向上や学校の体育授業に役立つという理由で、男女ともに長年トップクラスの人気を維持している。
以下は、このランキング順に、各種教室の公表月謝や上記調査の回答分布をもとにした月額費用の相場感と、月謝以外にかかる代表的な費用をまとめたものだ(金額は教室の運営形態や地域差により変動するため、あくまで目安として参照してほしい)。
| 人気順 | 習い事 | 月額費用の相場 | 月謝以外にかかる費用の例 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 水泳 | 6,000〜8,000円 | 入会金・道具類 |
| 2位 | ダンス | 5,000〜8,000円 | 発表会参加費・衣装代 |
| 3位 | ピアノ | 7,000〜12,000円 | ピアノ購入費・入会金・教材費・発表会参加費 |
| 4位 | そろばん | 4,000〜12,000円 | 入会金・教材費・検定試験受験料 |
| 5位 | 英会話 | 6,000〜8,000円 | 入会金・教材費 |
| 6位 | 武道・格闘技 | 1,000〜10,000円 | 道具類 |
| 7位 | 習字 | 2,500〜4,000円 | 消耗品・検定費 |
| 8位 | サッカー | 5,000〜7,000円 | 道具類・交通費・遠征費 |
| 9位 | 体操 | 4,000〜6,000円 | 大会参加費・交通費・遠征費 |
| 10位 | 学習塾 | 5,000〜20,000円 | 教材費・模試・季節講習費 |
※上記の相場は、複数の習い事教室の公表料金と、ソニー生命・バンダイ両調査の年齢別平均を照らし合わせて算出した「筆者調べの目安」であり、特定教室の公式価格ではない点に留意してほしい。
この表を見ると、月謝の安さだけで選ぶと失敗しやすいジャンルがあることが分かる。
たとえば習字は月謝自体が2,500〜4,000円と最も安価な部類に入るが、水泳やダンスは月謝が安めでも道具代や発表会関連費用が別途発生する構造になっている。
なぜピアノ・そろばん・学習塾は費用差が大きいのか?年間実質コストで検証する
月謝ランキングの数字だけを見ていても、実際に1年間でいくら家計から出ていくのかは見えてこない。
ここでは人気・費用両面で存在感の大きいピアノ・そろばん・学習塾の3ジャンルについて、筆者なりに「年間実質コスト」を試算してみたい。
まずそろばんから見ていこう。
そろばんの検定は級位・段位ごとに年数回実施されることが多く、受験料は1回あたり1,500〜3,000円程度が相場とされる(これは特定の検定協会の公式発表ではなく、複数教室の案内をもとにした筆者調べの目安である)。
仮に月謝を8,000円、年6回のペースで受験料2,000円の検定を受け続けたとすると、年間の月謝合計は96,000円、検定費用だけで12,000円が上乗せされる計算になる。
級が上がるごとに受験機会も増えるため、続ければ続けるほど累積の費用が積み上がっていく構造だと言える。

次にピアノで同じように試算してみる。
月謝の相場は7,000〜12,000円だが、仮に中間の10,000円とすると、年間の月謝だけで120,000円になる。
これに加えて、多くの教室で年1回程度の発表会が開催され、参加費・衣装代・写真代などで15,000〜30,000円程度が上乗せされることが多い(この幅も筆者調べの目安であり、教室によって大きく異なる)。
教材費も年間5,000〜10,000円ほど見込む必要があり、初年度に限ってはピアノ本体の購入費用が別途かかってくる。
通常年でも月謝と発表会・教材費を合わせると、年間で15万円前後になるケースが少なくないというのが筆者の実感だ。
学習塾についても同様に見ておきたい。
補習塾を想定して月謝10,000円とすると年間120,000円だが、これに教材費(年間10,000〜20,000円)、模試(1回3,000〜5,000円を年4回程度で12,000〜20,000円)、夏期・冬期・春期の季節講習(1回あたり20,000〜50,000円が3回)が加わると、年間の総額は20万円〜30万円規模まで膨らむことがある。
学年が上がり中学受験を視野に入れる塾になると、この金額はさらに上振れする点も付け加えておきたい。
こうして3ジャンルを並べてみると、月謝の見た目の安さと年間実質コストの大きさは必ずしも一致しないことが分かる。
筆者としては、月謝だけを単純比較するのではなく、この3つのように「イベント性の出費が定期的に発生するかどうか」を軸に見ることを強くすすめたい。
月謝以外にかかる「隠れコスト」の正体
習い事の費用を考えるうえで見落とされがちなのが、月謝そのものよりも周辺費用の存在だ。
お金がかかりやすい習い事に共通する理由は、大きく4つに整理できる。
- 初期費用(道具・楽器・ユニフォーム等)が高額
- 発表会・試合・遠征などのイベント関連費用
- 専門的な指導料や施設利用料が必要
- 上達するほど・長く続けるほど費用が増加
特にサッカーや体操のようなスポーツ系の習い事では、大会や遠征のたびに交通費が発生する点が、月謝ランキング上は見えにくいコストとして積み上がりやすい。
また武道・格闘技は月額費用の相場が1,000〜10,000円と幅広いが、これは道場の規模や流派、昇級審査の頻度によって差が出やすいジャンルであり、この金額幅も個別の道場公表料金を筆者が集約した目安である点を付け加えておく。
筆者の評価としては、隠れコストの多さで見るなら「ピアノ>学習塾>水泳・ダンス>習字」というのが体感的な序列に近い。
月謝が安くても年数回のイベント費用がかさむ習い事は、結局のところ年間で見ると高額になっているケースが少なくないからだ。

家計とのバランス:年収別の目安と費用を抑える方法
家計の中でどれくらい習い事にお金をかけていいのか、という疑問に対しては一つの目安がある。
ベネッセ教育総合研究所の「学校外教育活動に関する調査2017」によると、習い事にかける費用はおおよそ年収の2〜3%が平均とされている。
たとえば年収400万円の家庭であれば、年間8〜12万円、月額に換算すると6,000〜10,000円程度が目安になる。
この金額感だと、上のランキング表で言えば水泳・ダンス・英会話あたりが1つ、無理なく通わせられる水準だと言える。
一方、年収800万円であれば年間16〜24万円、月額13,000〜20,000円程度が目安となり、ピアノとスイミングなど複数の習い事を掛け持ちさせている家庭も多いと考えられる。
もちろん、これはあくまで平均的な目安であり、子どもの人数や住宅費、将来のための貯蓄計画など、家計全体のバランスによって適正な金額は変わってくる。
費用を抑えたい場合の選択肢もいくつか存在する。
一つは、自治体が主催する習い事や、学校のクラブ活動、地域のサークルを活用する方法だ。
比較的相場よりも安くおさえられていることが多く、お住まいの自治体の広報誌や学校からの案内でチェックできる。
もう一つは、子育て支援クーポンや助成金制度の活用だ。
市区町村によっては、特定の習い事教室やスポーツ施設の利用料が割引になったり、一定額の助成が受けられたりする制度を設けている場合がある。
所得制限や対象年齢の条件があることが多いため、まずは自治体の公式サイトで「子育て支援」「習い事 助成」といったキーワードで調べてみるとよいだろう。
また、ピアノやバイオリンといった初期費用が高額になりやすい楽器は、中古品やレンタルサービスを活用することで初期の出費を大きく抑えられる。
なお、割引制度やキャンペーン内容は自治体や事業者によって随時変わるため、利用を検討する際は必ず公式サイトで最新情報を確認してほしい。
世間の実感は?「習わせてよかった」習い事の順位
月謝の金額とは別に、実際に通わせた保護者がどう感じているかも気になるところだろう。
こどもオレペサポーターズを対象にした調査(回答者236人、複数回答)では、「習わせていてよかった」と感じる習い事の順位は以下のようになっている。
- 1位 スイミング(44.5%)
- 2位 ピアノ(21.8%)
- 3位 体操(20.4%)
- 4位 英会話(17.5%)
- 5位 公文式(11.8%)
スイミングは「風邪をひきにくくなった」「水を怖がらなくなった」といった健康面の変化を挙げる声が多く、月謝ランキング上位であると同時に満足度ランキングでもトップに立っている。
興味深いのは、保護者自身が子どもの頃に「やっていてよかった」と感じる習い事のランキングでは、ピアノ(30.4%)、書道(26.3%)、スイミング(26.3%)の順になっている点だ。
大人になってからも役立つ実感として、字のきれいさや泳げる安心感、音楽の楽しさが挙げられており、月謝の高い・安いだけでは測れない価値がそれぞれの習い事に存在していることがうかがえる。
自分自身が良いと実感した習い事を我が子にも習わせたいと回答した人は約6割にのぼり、実際に習わせている人は約5割という結果も出ている。
筆者としては、この「満足度は月謝と比例しない」という点こそ、ランキング記事を読むうえで最も見落とされやすいポイントだと感じている。
水泳のように月謝が中堅クラスでも満足度が突出するジャンルがある一方、ピアノのように高コストでも満足度が高いジャンルもあり、単純な費用対効果では測れない部分があるということだ。
考察:月謝ランキングだけで習い事を選ぶのは危険
ここからは改めて筆者としての見解を述べたい。
今回、複数の調査データを横断して比較してみて感じたのは、「月謝の安さランキング」と「実際にかかる総費用ランキング」、そして「満足度ランキング」の3つは、必ずしも一致しないということだ。
先ほどの試算のとおり、ピアノ・そろばん・学習塾はいずれも月謝の見た目以上に年間実質コストが膨らみやすいジャンルであり、始める前に年間の総費用シミュレーションをしておくことが特に重要だと言える。
月謝だけを単純合計するのではなく、検定費用や発表会費、季節講習費を含めた「年間実質コスト」で比較する視点を持つと、家庭ごとの判断がより現実的になるはずだ。
また、学習塾のように学年が上がるほど月謝が跳ね上がりやすいジャンルについては、小学校低学年のうちから「いつ頃から塾を検討するか」という時期の見通しを家庭内で共有しておくことが、家計管理の観点でも有効だと考えられる。
個人的には、月謝ランキングは「入口の目安」として活用しつつ、実際に通わせるかどうかは体験レッスンでの子どもの反応や、家庭の年収に対する負担割合(前述の年収の2〜3%という目安)を照らし合わせて判断するのが現実的だと感じている。
今後の見通しとしては、オンラインレッスンの普及により、通学型の習い事に比べて交通費や施設利用料を抑えられる選択肢がさらに広がっていくと予想される。
自宅で受けられるピアノや英会話のオンラインレッスンは、月謝ランキングの構造そのものを変えていく可能性を秘めていると筆者は見ている。

まとめ
子どもの習い事にかかる費用は、月謝の平均が1万円台前半から後半(ソニー生命調べ16,172円、バンダイ調べ13,607円)で、ジャンル別では習字やそろばんが比較的安価、ピアノや学習塾は月謝以外の出費も含めると高額になりやすい。
とりわけピアノ・そろばん・学習塾は、年間実質コストで見ると月謝の印象以上に負担が大きくなりやすいジャンルであり、検定費・発表会費・季節講習費まで含めたシミュレーションが欠かせない。
人気ランキング上位の水泳・ダンス・ピアノ・そろばん・英会話は、それぞれ月謝相場も追加費用の性質も異なるため、単純な金額比較だけでなく、年間の総費用や家庭の年収バランスも踏まえて選ぶことが大切だ。
自治体の助成制度やレンタル・中古品の活用など、費用を抑える工夫も組み合わせながら、子どもが本当にやりたいと思える習い事を無理のない範囲で選んでいきたい。
よくある質問
子どもの習い事の月謝の平均はいくらですか?
ソニー生命の2025年調査では月額平均16,172円、バンダイの調査では月額平均13,607円という結果が出ている。年齢が上がるほど金額も上がる傾向がある。
月謝が一番安い習い事は何ですか?
紹介したランキングの中では、習字が月額2,500〜4,000円と最も低い相場になっている。ただし消耗品や検定費が別途かかる点には注意したい。
習い事の費用は年収のどれくらいが目安ですか?
ベネッセ教育総合研究所の調査によると、習い事費用の目安は年収の2〜3%程度とされている。年収400万円なら月6,000〜10,000円、年収800万円なら月13,000〜20,000円が一つの基準になる。


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