弁護士対応の退職代行サービスとは?費用相場とみやびなど事務所を紹介

スーツ姿の弁護士が会社宛ての退職通知書にサインをしているオフィスの一場面 未分類

弁護士対応の退職代行とは、有給消化の交渉から未払い残業代の請求まで、弁護士が代理人として法的に対応してくれる退職代行サービスのことだ。

会社に「辞めます」と伝えるだけの民間業者とは違い、弁護士なら非弁行為の壁を気にせず、あなたの代理人として堂々と会社と渡り合える。

この記事では、弁護士対応の退職代行の仕組みと費用相場、弁護士法人みやびをはじめとする代表的な事務所の特徴、そして2025年から2026年にかけて業界を揺るがした「モームリ」摘発の全容まで、検索で知りたい情報を一気に整理していく。

弁護士対応の退職代行とは?できることを整理

結論から言えば、弁護士対応の退職代行とは、退職の意思表示だけでなく「交渉」と「法的対応」までワンストップで任せられるサービスのことだ。

一般企業が運営する退職代行では、法律上、会社との交渉行為は一切できない。

弁護士法72条は、弁護士資格を持たない者が報酬を得て法律事務を行うことを禁じており、これに違反すると「非弁行為」とみなされるリスクがある。

一方で弁護士なら、有給休暇の取得交渉、離職票や源泉徴収票の請求、未払い給与や残業代・退職金の請求、さらには会社から損害賠償を主張された場合の反論まで、すべて代理人として対応できる。

たとえばアディーレ法律事務所は、公式サイトによれば相談は何度でも無料で、退職代行に返金保証を用意しており、条件を満たせず退職できなかった場合は費用が戻る仕組みになっている(保証の適用条件は事務所公式サイトで要確認)。

「言うだけ」ではなく「戦える」のが、弁護士対応の退職代行の本質だと筆者は考える。


弁護士対応の退職代行はなぜ安心なのか?非弁行為のリスクを解説

読者の多くが気になるのは「なぜわざわざ費用の高い弁護士対応の退職代行に頼む必要があるのか」という点だろう。

答えはシンプルで、交渉権のない業者に依頼すると、会社が強気に出た瞬間に手詰まりになるからだ。

※画像はAIによるイメージ

民間の退職代行業者が有給消化や退職日の調整、退職金の交渉といった行為に踏み込めば、非弁行為に該当するおそれがある。

この非弁行為をめぐるリスクの重大さについては、東京弁護士会が2025年10月、退職代行サービスが非弁行為に該当しうる点について注意喚起をおこなっていた。

そして、その懸念を裏づける出来事が、実際に業界最大手クラスの事業者を舞台に起きている。

日本経済新聞の報道によれば、警視庁は2025年10月22日、報酬を得る目的で依頼者を弁護士に紹介したとして、退職代行サービス「モームリ」を運営するアルバトロス(東京・品川)などを弁護士法違反の容疑で家宅捜索した。

時事通信も同日、警視庁保安課が有償で利用者を弁護士にあっせんした疑いで、アルバトロス本社を弁護士法違反(非弁行為など)容疑で家宅捜索したと伝えている。

さらに事態は次の段階へ進む。

弁護士ドットコムニュースが産経新聞の報道を引用して伝えたところによれば、2026年2月3日、アルバトロス社長の谷本慎二容疑者と、従業員である妻の志織容疑者が、弁護士資格がないまま退職交渉の斡旋をおこない紹介料を得ていた疑いで、弁護士法違反容疑で警視庁に逮捕された。

東京商工リサーチの取材記事によれば、逮捕当日の2月3日17時時点で、同社への取材申し込みに対する回答は得られていなかったという。

その後、労働問題専門メディア「ベンナビ労働問題」の記事によれば、モームリは2026年4月23日に代表者を刷新し、新体制での営業再開を発表したと伝えられている。

東京商工リサーチのデータによれば、運営元のアルバトロス社は2022年2月の創業で、2025年1月期には売上高約3億3000万円を計上しており、退職代行という新興ジャンルで急成長した事業者だった。

同社の退職代行サービスは2022年3月に開始され、2024年7月時点で累計約1万6000人が利用したとされる規模感を持つ。

これほどの実績と知名度を誇っていた業界最大手クラスの事業者ですら、こうした事態に至ったという事実は、退職代行業界全体への信頼を揺るがす出来事だったと言えるだろう。

なお、東京商工リサーチのデータベースには「退職代行」を事業目的に掲げる企業が少なくとも50社登録されており、今回の一件は同業他社にとっても他人事ではない警鐘となったはずだ。

弁護士対応の退職代行であれば、そもそも非弁行為に該当する心配がなく、会社側も「法的措置を取られるかもしれない」というプレッシャーから、無下な対応をしにくくなる。

民法627条1項では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の意思表示から一定期間が経過すれば法律上必ず退職できると定められている。

契約社員などの有期雇用契約であっても、民法628条前段により、やむを得ない理由があれば即時の退職が認められる。

弁護士はこうした法的根拠を武器に、会社が「認めない」と言い張っても、退職の実現に向けて着実に交渉を進めてくれる存在なのだ。


弁護士対応の退職代行の費用相場はいくら?

読者が最も知りたいであろう費用の話に入ろう。

弁護士が運営する退職代行の費用相場は、おおよそ5万円〜10万円である。

これに対し、一般企業が運営する退職代行は1万円〜5万円程度、労働組合が運営・連携する退職代行は2万5000円〜3万円程度が目安となる。

以下に、運営元ごとの対応範囲の違いを整理した。

運営元退職意思の伝達有給・交渉未払い残業代請求裁判対応費用相場
一般企業×××1万〜5万円
労働組合▲〜◎××2.5万〜3万円
弁護士5万〜10万円

金額だけを見れば弁護士対応の退職代行は割高に映るかもしれないが、未払い残業代や退職金の請求まで併せて依頼できる点を考えると、結果的にプラスになるケースも少なくない。

事務所によって料金体系や含まれるサービス範囲は大きく異なる。

たとえば着手金と成功報酬を分けて設定する事務所もあれば、退職代行費用を一律で提示し、残業代請求は完全成功報酬制とする事務所もある。

依頼前には「基本料金にどこまで含まれるのか」「追加料金は発生しないか」を必ず公式サイトや相談時に確認しておきたい。

なお、料金や制度は変更される可能性があるため、最新の費用は各事務所の公式サイトで確認することをおすすめする。


弁護士法人みやびなど、代表的な弁護士対応の退職代行事務所

ここでは、弁護士対応の退職代行として名前が挙がることの多い事務所をいくつか紹介する。

なお、以下の事務所名・料金は特定サービスの宣伝や誘導を目的としたものではなく、読者が事務所選びをする際の客観的な比較材料として掲載している。代表者の経歴や料金は変更されることがあるため、依頼前には必ず各事務所の公式サイトで最新情報を確認してほしい。

※画像はAIによるイメージ

弁護士法人みやび

全国対応で、LINEでの無料相談や残業代等の各種請求に対応している。

費用は2万7500円(税込)からとされており、弁護士対応の退職代行のなかでは比較的依頼しやすい価格帯とされる。

代表弁護士の佐藤秀樹氏は、公式プロフィールによれば慶應義塾大学法学部を卒業後、平成15年(2003年)に司法試験に合格し、片岡法律事務所での実務を経て2009年に自身の事務所を開設したという経歴を持つ。

公務員や自衛隊員など、特別な手続きが必要な雇用形態への対応実績をうたっている点も特徴だ。

価格帯の手頃さと対応範囲の広さのバランスを考えると、弁護士対応の退職代行のなかでは「まず検討したい候補」の一つに挙がる事務所だと筆者は感じている。

アディーレ法律事務所

北海道から沖縄まで全国60拠点以上を展開する大手法律事務所で、名古屋栄支店はNHK名古屋放送センタービル8階にあり、地下鉄東山線「栄駅」から徒歩5分の立地だ。

相談は何度でも無料で、退職代行には返金保証がついており、期間の定めのある雇用契約で当初の契約期間満了以前に退職できなかった場合などに適用されるとされる(適用条件は要確認)。

未払い残業代の請求を同時に依頼できる点も強みだ。

全国に拠点を持つ安心感と、返金保証という分かりやすい担保があることから、初めて弁護士対応の退職代行を検討する人にとっては相談のハードルが低い事務所と言えるだろう。

その他の弁護士対応事務所

このほかにも、地域密着型で長年の実績を掲げる法律事務所や、全国展開しながら残業代請求から退職サポートまで幅広い労働問題に対応する大規模法律事務所など、選択肢は複数存在する。

事務所ごとに得意分野や料金体系、対応エリアが異なるため、複数の公式サイトを比較しながら、自分の状況に合った事務所を選ぶことが重要だ。

こうした事務所に共通しているのは、単なる「退職の伝言役」ではなく、有給消化や未払い金の請求まで見据えて交渉できるという点であり、これこそが弁護士対応ならではの強みだと言える。


弁護士監修と弁護士対応の退職代行の違いに注意

検索していると、「弁護士監修」という表記の退職代行サービスを目にすることも多いはずだ。

ここで注意したいのは、「弁護士監修」と弁護士対応(弁護士運営)の退職代行はまったく別物だという点である。

弁護士監修は、あくまで業者側が事前に助言や確認を受けているだけで、実際の交渉やり取りは弁護士資格を持たないスタッフがおこなうケースが大半だ。

そのため、退職金や残業代の請求など、企業との直接交渉が必要な場面では十分な対応ができない可能性がある。

一方、弁護士対応(弁護士運営)型は弁護士自身が契約当事者となり、企業への連絡から法的交渉、未払い賃金の請求まで一貫して担当する。

先述したモームリのケースは、まさに「無資格の運営者が弁護士への紹介という形で法律事務に関わっていた」ことが問題視された事例であり、「監修」と「運営」の境界線がいかに重要かを物語っている。

「弁護士監修だから安心」と思い込んでしまうと、いざというときに期待していた対応が受けられず後悔するリスクがあるため、依頼前に「監修」なのか「運営」なのかをしっかり見極めることが重要だ。


考察:弁護士対応の退職代行をどう選ぶべきか

ここからは筆者としての見解を述べたい。

数多くの退職代行に関する情報を横断的に見てきて感じるのは、業界全体が急拡大したがゆえに、玉石混交の状態になっているという現実だ。

2025年10月の家宅捜索から2026年2月の代表者逮捕、そして4月の体制刷新に至るモームリをめぐる一連の報道は、決して他人事ではなく、「安さ」や「知名度」だけで業者を選ぶことの危うさを物語っていると筆者は考える。

累計1万6000人以上、売上高3億円超という規模にまで成長した事業者であっても、非弁提携という一点で経営の根幹が揺らいだという事実は、この業界の特殊なリスクを象徴していると個人的には感じている。

もちろん、交渉の必要がまったくないシンプルな退職であれば、民間業者や労働組合型のサービスでも十分に機能する場面はあるだろう。

そこで、筆者としては次のような判断材料を提案したい。

  • 有給がほぼ残っておらず、会社との関係も良好 → 民間業者や労働組合型でも対応できる可能性が高い
  • 有給消化や退職日の調整で揉めそうな予感がある → 労働組合型か弁護士対応を検討したい
  • 未払いの残業代や退職金があり、金額を請求したい → 弁護士対応が現実的な選択肢になる
  • 会社から強い引き止めや損害賠償の脅しを受けている → 迷わず弁護士対応を選ぶべきだと個人的には考える

なぜなら、途中で交渉が必要になった場合、民間業者ではそこで手詰まりとなり、結局は自分自身で対応せざるを得なくなるケースが少なくないからだ。

最初から弁護士対応の退職代行に依頼しておけば、そうした「二度手間」やストレスを避けられる可能性が高い。

費用対効果という観点でも整理しておきたい。

仮に弁護士費用が5万円〜10万円だとしても、未払いの残業代が数か月分たまっているようなケースでは、請求が認められれば依頼費用を上回る回収額になることは十分にありうる(回収額は個々の労働条件や証拠の有無によって大きく異なるため、あくまで一般論として捉えてほしい)。

逆に、未払い分がほとんどなく、単に「気まずくて言い出せない」という状況であれば、弁護士費用が相対的に重く感じられる可能性もある点は正直に付け加えておきたい。

今後の見通しとしては、退職代行業界に対する社会的な監視の目はますます強まっていくと筆者は予想している。

東京商工リサーチのデータベースだけでも「退職代行」を掲げる企業が50社確認されている以上、モームリと同様の非弁提携リスクを抱える事業者が他にも存在する可能性は否定できないだろう。

非弁行為をめぐる摘発事例が報じられるたびに、利用者側の「事務所選びのリテラシー」が問われる時代になっていくはずだ。

だからこそ、弁護士対応かどうか、そして料金体系が明確かどうかを、依頼前にしっかり見極める姿勢が、これまで以上に重要になってくるだろう。


よくある質問

弁護士対応の退職代行は本当に退職できますか?

原則として退職できる。正社員などの期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項により、退職の意思表示から一定期間の経過で法律上退職が成立する。

弁護士対応の退職代行と弁護士監修の退職代行は何が違いますか?

弁護士対応(運営)は弁護士自身が交渉の当事者となるのに対し、弁護士監修はあくまで助言・確認にとどまり、実際の交渉は弁護士資格のないスタッフがおこなうことが多い。

モームリの家宅捜索や代表逮捕のあと、退職代行サービスは使っても大丈夫ですか?

弁護士対応の退職代行であれば非弁行為の心配自体がないため、引き続き安心して利用できる。ただし民間業者を選ぶ場合は、交渉行為に踏み込んでいないか、運営実態が明確かを確認したほうがよいだろう。


まとめ

弁護士対応の退職代行は、有給消化や未払い残業代の請求、会社からの損害賠償請求への対応まで、法律に基づいて一貫して任せられる点が最大の強みだ。

費用相場は5万円〜10万円と、民間業者や労働組合型よりは高めだが、非弁行為のリスクを避けつつ、交渉力のある代理人を得られる安心感は大きい。

2025年10月の家宅捜索、2026年2月の代表者逮捕、4月の体制刷新という一連の報道が示すように、業界最大手クラスの事業者ですら足元をすくわれかねないのが今の退職代行業界の現実だ。

だからこそ、自分の状況——有給の有無、未払い残業代の有無、会社との関係性——に合わせて、弁護士法人みやびをはじめとする弁護士対応の事務所選びを慎重に進めてほしい。

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